2015/01/16

インポスター・シンドローム

いま僕は働いてみたいと思っていた会社で、アメリカにきて、コンパイラ・ツールチェーンチームの一員として仕事をしているのだけど、なんとなく入社して、なんとなくチームを移ってここにきて、なんだかよくわからない流れで仕事をしているという感覚がある。周りの人は、人によるけどガチのコンパイラエンジニアだったりするのだが、僕はそこまでの専門性はないと思う。

実際のところは自分の仕事は問題なくできているので、僕のスキルでも十分に通用するようだ。僕はプログラミングには時間を使いまくったので、他の人よりできるのは当然なのだが、しかしそれにしても通用しすぎだ。いまのポジションは偶然何かのはずみでこうなっているだけで、本来は何か違うのではないかという感覚がある。

こういう感覚のことをインポスター症候群というらしい(imposter = なりすまし)。

これが何なのかということを考えてみたが、僕は自分のことを基本的には単なる趣味プログラマだと思っているので、プロのプログラマとして普通に活躍しているとしても、心底では納得できる感じがしないからではないかと思った。そもそもで言うと、ガチなプロジェクトに移るための要求スキルのほうが低すぎなのではないかという感じがする。

いまでは「普通」のレベルの低さ、あるいは真剣にコンピュータサイエンスに興味をもつ人の少なさという現実がよくわかったので、まあ世の中こんなものなんだろうなとも思う。

別に引け目を感じたりはしないが、今わりと面白いことができているのは運と成り行きの結果というのはかなりの部分あたっていると思う。まあそれもインポスター・シンドロームなのかもしれないが。